令和3年度第8回
まちづくり懇談会<上河内地区>意見回答書
□地域代表意見1
テーマ | 地域主体のまちづくり財源について |
上河内地区においては,「地域の宝を活かしたみんな輝く上河内」を実現するため,上河内のゆずを使った「モ イストポプリ」の制作を行うこととしたが,このような新たな事業の取り組みにあたっては,事業推進の基盤 となる事務局の人的負担,金銭的な負担が重みとなり,いざ実現しようとなると尻込みをしてしまうのが現状である。やりたいこと,やってみたいことがあるのに躊躇してしまう,こんな状況を打破するため,次の2点 を要望する。
1点目は,「安定した事務局運営のための補助内容の見直し」
現在,事務局人件費については,地元負担金のほか,協働の地域づくり支援事業補助金の「事務局支援事業」 メニューと他メニューの自由配分枠をフルに活用し,捻出している。一方,「事務局支援事業」は平成26年度 に創設されたものであるが,この間,地域を取り巻く環境は,高齢化率の上昇により地域課題が多様化•複雑化し,また,頻発する自然災害に対しての防災力の強化,さらには,事務局人件費の指標となる栃木県の最低賃金も1.2倍となるなどして,地域主体のまちづくりの基盤となる地域事務局の業務や財政的負担が大幅に増え,それを支える「事務局支援事業」の補助内容は,創設当時のままであり変化がないので,安定した事務局運営ができるよう,事務局強化を目的とした「事務局支援事業」において業務量の増加や最低賃金の上昇など の点を鑑み,補助額の増など社会情勢を反映していただき,事務局長の担い手確保のためにも,事務局長への手当を可とするなど,補助要件の緩和の検討をお願いする。
2点目は,宇都宮市の「ふるさと納税」の使い道のメニュー拡大
上河内地区においては宇都宮市の3大祭りに数えられる祭り「梵天まつり」があり,その祭りには,現在市外に住んでいてもその日には地元に戻り梵天を担ぐ地元出身者が多くいる。
現在の「ふるさと納税」使いみちメニューには「子供の健全育成」や「高齢者の健康•生きがいづくり」な どであるが,そこに,地区外にいても生まれ育った地元を応援できるよう,指定した地域や自治会に寄付ができる「地域応援」メニューの追加をお願いする。地域は活性化の財源に活用でき,また,寄付者にとっては応 援したい気持ちを形に変えられ,更には,寄付を受けた地域はそれに応えるため,一層の活性化に努めるといっ た好循環が生まれる。地域が一体となってのまちづくりは,組織と財源がしっかりして成り立つものと考えるので,ぜひ,以上の 2点についてご配慮お願いする。
回答 |
上河内地区の皆さまには,地域の将来の姿を描いた地域ビジョンの実現に向け,コロナ禍においても地域一 丸となって,特産品である「ゆず」のモイストポプリの製作• PR活動や,「梵天まつり展」,L I NEを活用 した地域情報の発信など,創意工夫によりわがまち意識の醸成や地域資源を活かした独自の魅力づくりに取り 組んでいただいておりますことは,大変素晴らしいことであり,感謝申し上げるとともに,ひいては,本市の 魅力向上につながるものと考えております。
「協働の地域づくり支援事業補助金•事務局支援事業」につきましては,地域まちづくり組織が主体的に行 う地域課題の解決に向けた取組や地域特性を活かした事業が円滑に行われるよう,地域の事務局機能の強化を 目的に平成26年度から補助メニューに追加したところであります。「事務局支援事業」における補助額の増額 につきましては,市内39地域の補助金の活用状況や社会情勢を十分に踏まえ検討していく必要がありますこ とから,すぐに対応することは困難であるため,引き続き自由配分の仕組みを御活用いただきたいと考えてお りますので,御理解くださいますようお願いいたします。
なお,「事務局支援事業」の補助要件の緩和につきましては,他地域において事務局長への手当を行ってい る事例もありますことから,まずは,上河内地区市民センターに御相談ください。
次に,ふるさと納税は,生まれ育ったふるさとや特定の自治体を応援したいという思いを寄附という形で実現できる制度であり,全国の多くの寄附者に,本市を応援していただけるよう,ふるさと納税の使いみちとして,全国に誇れる「子育て支援」や「農業王国うつのみやの推進」,「総合的な交通ネットワークの構築」など, 9つの分野の取組を掲げているところであり,ふるさと納税の趣旨を踏まえ,市政運営に反映しているところ であります。
こうした中,行政の取組だけでなく,地域で活躍する公益的な団体による活動や特定の事業をふるさと納税の使いみちとして指定できるよう,昨年7月に「公益活動支援事業補助金」を本市独自に創設したところであ ります。この制度につきまして,現在は,法人格を有し,公益性が高い事業を実施する公益社団法人やNPO法人な どを対象としており,自治会などを対象としていないところでありますが,今後,寄附の受け入れ状況や寄附 を受けた団体の活動状況を踏まえた上で,既存の「協働の地域づくり支援事業補助金」の活用状況などを勘案 しながら,公益活動支援事業補助金の対象に地域や自治会を加えることを検討するなど,寄付してくださる方 の思いを受け止め,まちづくりに活かせるような制度となるよう努めてまいります。今後とも,様々な取組を通して地域主体のまちづくりがなお一層進むよう支援に努めてまいります。
□地域代表意見2
テーマ | 誰もが「スーパースマートシティ」に対応できる社会について |
上河内地区防災会では,間もなく終了をする防災無線のその後の対応として,災害情報をいち早く伝達できるよう,自主防災会のLINE公式アカウントを開設し,有事の際の情報発信に備えている。このように便利な社会のように見えるが,国の調査では,70歳以上の6割近くがスマートフォンやタブレツ 卜を使っておらず,デジタル化に取り残されているのが現状である。このような現状を鑑み,今年度「スマートフォン講座」を3回開催したが,3回の講座で参加者が50名弱と, 移動手段が少ない高齢者にとって,センターを会場とした開催だけでは,参加が難しいという課題を残した。そこで,高齢者のスマートフォンの利用や,スーパースマートシティへの関心度を高めるためにも,生涯学 習センターでの講座に加え,企業と連携し,住民ひとり一人のレベルに応じた相談ができる「巡回マンツーマ ン相談会」を,自治公民館のような住民の身近な環境で定期的に開催するなど,講座の拡充や相談所の開設を お願いする。
回答 |
本市が目指す「スーパースマートシティ」の実現に向けた取組に関心を持っていただくとともに,日ごろか らの御協力に感謝申し上げます。
上河内地区におかれましては,自主防災会のLINE公式アカウント開設や,市内で先駆けて実施させてい ただいた「ツイッターやL I N Eについて学べる『S N S講座』」などに積極的に御参加いただくなど,地域 のデジタル化に向け主体的に取り組んでいただいており大変嬉しく思います。
スーパースマートシティの原動力となる地域のデジタル化を進めていくに当たりましては,あらゆる市民や 企業等がデジタル化に取り残されることがないようにするとともに,それぞれがデジタル機器やサービスを目 的に合わせて効果的に活用し,身に着けた操作•利用方法を定着させるために継続して使い続けていくことが 重要でありますことから,本市におきましては,デジタル機器やサービスを取り扱うレベルに応じた学習や相 談の機会を創出する取組を推進しているところであります。
今後は,上河内地区の実情を勘案しつつ,皆さまのニーズや意欲を,日頃のまちづくり活動をサポートさせ ていただく中できめ細かく把握させていただき,企業や団体との連携を図りながら,上河内の拠点である生涯 学習センターでの開催を基本としつつ,地域内交通などで行ける会場など,より身近な場所での講座等の開催 を検討してまいります。
また本市では,自治会など地域で活動される方々が,ウェブサイト上でデジタル化に関して直接ICTの専 門家などへ気軽に相談できたり,先進的な事例を学べたりするなど,デジタル化へのきっかけの場となる「うつのみやデジタルスクエア」を,3月25日に開設したところであります。
皆さまには,こうしたデジタル化の取組について丁寧にお知らせしてまいりますが,デジタルに関する困りごとや相談があれば,スーパースマートシティ推進室へお問い合わせください。
□地域代表意見3
テーマ | 車中泊に対応した施設の整備について(梵天の湯への電気•水道•トイレの整備) |
昨今の新型コロナウイルスの影響により密を避け,観光やレジャーが控えられている中で,キャンピングカー での宿泊が注目されており,キャンピングカーのレンタル利用も急増している。
また,災害時での避難においても密を避けるため,安全な場所に立地する親戚•知人宅やホテルなどへの避難のほか,「車中泊」を希望する人が増えている。
上河内地区には250台分の駐車場を完備した「梵天の湯」があり,そこに24時間利用可能な電気,水道, トイレを設置し,車中泊を可能とすれば,温泉も満喫でき観光客の増を見込むことができるので,梵天の湯に車中泊ができる電気,水道,トイレ,を整備することを提案する。
回答 |
新型コロナウイルス感染症の影響により,3密を回避できるキャンピングカーによる車中泊を含むキャンプ やバーベキューなどは,自然体験型コンテンツとして,新たなニーズが高まっているものと認識しているとこ ろです。
梵天の湯につきましては,地域資源を活用して農村交流を促進することにより地域活性化を図ることを目的に,平成14年に開館し,年間約23万人が来館するなど,上河内地域における交流施設として重要な役割を担っ ております。
このような中,梵天の湯におきまして,24時間利用可能な電気,水道,トイレを設置し,車中泊を可能と することにつきましては,施設の運営体制や,24時間の警備体制の構築,夜間における騒音への対応など, 検討しなければならない課題が多く,すぐに対応することは難しいと考えております。
今後とも,梵天の湯におきましては,源泉かけ流しの温泉をはじめ,地産地消レストランの運営や,新鮮な 農産物等の販売といった施設の特徴を活かし,本市の観光資源として、地域の皆様はもちろんのこと,市内外 へ向けて魅力を発信してまいります。
また,災害時の車中泊避難につきましては,車での移動中や駐車中の被災の恐れや,エコノミークラス症候 群を引き起こす可能性などから,国が「やむを得ず避難所や親戚•知人宅へ避難できない場合の避難」である ことを示しているものの,新型コロナウイルス感染症の拡大時において,密を避けるための車中泊避難を希望 される方がいる場合には,開設している指定避難所において,車中泊避難も受け入れており,車中泊避難をさ れる方に対しましては,物資や災害情報の提供などを行ってまいります。
今後とも,災害時に市民が安全に避難できるよう,避難所の受入体制の整備に取り組んでまいります。
自 由 討 議 |
学校敷地植栽の管理と学校土手の草刈りについて |
上河内地区内の学校は,周囲を緑に囲まれ,学びの場として申し分のない環境下にある。
そして,校舎敷地全体を見渡すと,各学校とも桜,ツバキ,つつじ,もみじなど多くの植栽があり,四季折々楽しませてくれる。一方これらの植栽は,アメリカシロヒトリなどの害虫,枯れ枝の落下,倒木,日陰など, 芳しくない面もある。
また,植栽場所は校舎敷地外周にあるため,枯れ枝の落下,倒木などは登下校時の子どもたちへの危険,敷地外の住宅,田畑等への迷惑にもなっている。このような状況の中,最近では上河内西小学校において倒木が あったので,子どもたちの安全を確保するためにも,これらの予防措置について万全を期して戴きたい。
次に,上河内東小学校を除く,上河内西小.上河内中央小,上河内中の土手の草刈りについて要望する。3校はいずれも高台にあり,土手の草刈りが必要であるが,急傾斜地で危険なため何十年と放置されており, カヤ,篠竹,つる,灌木が繁茂し,荒れた状態となっている。以前,地元から学校へ対応を要望したが,対応は難しいとの答えをいただいている。地域としては,このような状況をいつまでも放置することは,野火の危険性や病害虫の発生,景観の悪化等,生活を脅かす危険性があるので,一刻も早い対応をお願いする。
回答 |
学校敷地内の植栽の管理につきましては,学校業務機動班が定期的な点検を行い,伐採,剪定するほか,特に危険度が高い樹木等につきましては,状況に応じて,専門業者による伐採などを行うことにより,安全•安 心な教育環境を確保することが重要であると認識しております。
このようなことから,倒木の危険のある樹木の伐採や隣接地に影響がある繁茂した雑草の除草につきましては,学校業務機動班が学校で作業するタイミングや,学校から依頼を受けた際に,市職員が現地を確認し,優 先順位をつけながら速やかに対応しているところでありますが,お気付きの点につきましては,まずは学校に 御相談ください。
このような中,上河内西小学校につきましては,昨年7月ごろ,学校西側から隣接する水路へ傾斜している 土手にある樹木が隣接地に倒れる事案が発生したため,造園業者により撤去を行ったところであり,その際に 現地を改めて確認し,西側につきましては,土手全体の傾斜が急であるとともに作業用の通路などもなく,頻繁に除草や剪定を行うことは困難であることが判明しましたことから,今後,土手の保護や周囲の安全を確保しつつ対応できる手法の検討を進めてまいります。
次に,上河内中央小学校及び上河内中学校の東側の土手につきましては,学校業務機動班により年に数回除草を行っているところでありますが,現地においては,土地の管理者が不明確な場所もあるため,土地の境界 を明確にした上で,雑草の繁茂状況を確認しながら,必要に応じて専門業者による除草も実施してまいります。 今後とも,学校敷地の植栽につきましては,子どもたちの安全を最優先としながら,適正な管理に努めてまい ります。
上河内中央小学校体育館トイレの洋式化について |
上河内地区内小中学校校舎のトイレは,計画的な整備により,その7割が洋式化されたと聞いている。
一方,体育館のトイレは,上河内西小,上河内東小,上河内中学校は,半数以上が洋式化されているが,上 河内中央小学校体育館のトイレは,現時点で3か所全てが和式のままとなっている。
上河内中央小学校体育館は上河内地区内の優先避難場所に指定されており,災害時には多くの住民が避難してくるが,高齢者や障害者,病弱な方など,和式トイレの使用は大変重荷になる。近年は気候変動により,全 国的に災害発生数が増えつつある。優先避難所が安心できる環境であるためにも,早急にトイレの洋式化をお 願いする。
回答 |
学校トイレの洋式化につきましては,現在,児童生徒の快適な生活環境を確保するため,児童生徒が日常の大半を過ごす校舎トイレを優先して取り組んでまいりましたが,御意見のとおり,近年の災害発生状況を受け, 学校の体育館につきましても避難所として指定されておりますことから,避難者の安心感を高めるためにも, 体育館トイレの洋式化にスピード感をもって取り組んでいく必要があると認識しております。
そのような中,体育館トイレにつきましては,まずは,すべての学校に少なくとも男女1基ずつの洋式トイ レが備わるよう,計画的に整備を進めているところであり,上河内中央小学校の体育館トイレにつきましても, 令和4年度中に洋式化ができるよう,進めてまいります。